2022-01-20 京劇臉譜図鑑 三国志 化粧 2023/08/14更新 今回は「三国志」の登場人物たちの臉譜について。 関羽 張飛 周倉 龐統 太史慈 韓当 典韋 夏侯惇 関羽 関羽紅整臉 義に厚い。その厚さゆえに臉譜も真っ赤。赤を顔全体に塗ってから黒の油絵の具で眉やシワを描きます。「美髯公」の名の通りトリートメントされたようなしっとりサラサラの長い髯をつけます。 行当は専任で「紅生」といいますが、武生や文武老生あたりの主役をはる俳優が演じています。 関羽が登場する「紅生戯」はこちら 張飛 張飛黒十字門蝴蝶臉十字に仕切られた顔、ニコニコしているような目元に蝙蝠(中国では 「蝠」と「福」が同じ発音であることから縁起物)が飛んでいるような眉。これらが蝶のような形に見えます。中国では人気があり、登場する芝居が多く、動きの多い做工花臉が演じます。 周倉 周倉瓦灰花元宝臉関羽の忠実なる部下。関羽のそばには欠かせないキャラ。京劇《華容道》では関羽、関羽の息子である関平、周倉の三人で 「これでもかあ!」という勢いの亮相を決めまくり、 逃げに逃げてヨレヨレになっている曹操たちを威嚇します。 京劇《華容道》はこちら 龐統 龐統紫道士臉臥龍(眠れる龍)と言われた諸葛亮と並んで、 鳳雛(鳳凰の雛)と言われた龐統。『赤壁之戦』で曹操に「連関の計」を授ける場面があります。《群英会》《草船借箭》《借東風》《華容道》と上演されることが多く、実際の芝居では見かけたことがありませんが、音配像シリーズではその姿を見ることができます。 太史慈 太史慈緑砕花臉京劇《群英会》では、周瑜の傍らにいて宴席で「戦のことを持ち出すヤツがあれば斬れ」と命じられると、曹操へ投降するよう説得に来た蒋幹に向って刀を引き抜き 「うがあ~!」と食いつかんばかりにひとにらみ。 その威嚇に蒋幹は震え上がります。派手には出ないが派手な顔のインパクトのあるキャラ。 京劇《群英会》はこちら 韓当 韓当 孫堅、孫策、孫権と 呉三代に渡って仕えてきた家臣。 残念ながら芝居で実際に見た覚えがないです。 典韋 典韋黄花三塊瓦臉八十斤の双戟を振るう曹操の側近警護。 京劇《戦宛城》ではいったん投降した張繍の計略にはまって壮絶な死を迎える、この芝居では重要なキャラ。 夏侯惇 夏侯惇 藍尖三塊瓦臉曹操の従兄弟で、早くから曹操に仕えた隻眼の将軍。戦いの最中に左眼に矢が刺さり、それを目玉ごと引き抜いて「父母からもらった大切なものだ」と言って喰らったというすごいエピソードを持っています。京劇《博望坡》に登場。 この戦いは劉備の天才軍師・諸葛亮のデビュー戦。もともとあった《三顧茅廬》と《博望坡》のふたつの芝居をもとに中国京劇院が1958年に改編した芝居《初出茅廬》で見たことがあります。ちゃんと黒い眼帯をしてました。片目が見えないと距離感が掴めないもの。ちょっとハラハラしながら立ち回りを見た覚えがあります。 ほかの「三国志」のお芝居 「唱」をご堪能下さい 泣いて馬謖を斬る 屈指の人気キャラ 諸葛亮 諸葛孔明といえば馬連良