中国京劇雑記帳

京劇 すごく面白い

京劇演目紹介《女殺四門》

2025/03/09更新

 

夫の安否を案じる妻が鎧を纏い

華麗なる槍さばきで敵を撃つ

 

京劇《女殺四門》

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あらすじ

 宋の初代皇帝・趙匡胤南唐と交戦していたころ。

 寿州で立てこもる趙匡胤のもとへ、敵の包囲を突破して救援に来た高俊保は病を得て床に伏してしまう。

 高俊保の妻・劉金定は夫がなかなか戻らないのを心配して、自ら兵を率いて救援に向かう。自ら城門を見回っている趙匡胤にまみえるべく、門前に陣取っている南唐の軍を劉金定は次々と撃破していく。

 劉金定はかつて夫が趙匡胤から下賜された金装(かん:剣のような見た目の打撃武器)を示して趙匡胤に開城を願う。

 趙匡胤は劉金定を病床にあった夫と再会させて軍功の祝宴を開くのであった。

 

劉金定 刀馬旦または武旦

趙匡胤 老生

搬不倒 丑

雷顕 武生

林文豹 武生

 

激しい槍使いと立ち回りがみどころ

 

データ

  別名《寿州救駕》。《劉金定殺四門》、《劉金定斬四門》。

 豫劇、秦腔、越調、宛梆のほか京劇、漢劇、川劇、湘劇、粤劇、桂劇、同州梆子、河北梆子にもあり。

 

ポイント

 劉金定が率いる兵士たち、馬童は女性。衣装の色使いや動きなど女性ならではの華やかさがあり、男性とはまた違う趣きがあります。

 趙匡胤は赤を基調とした臉譜(紅整臉)で、関羽のようにいわゆる「紅生」に分類されます。老生が演じています。白地の左瞼に入っている赤の線は、「龍」( = 皇帝)を表しているそうです。

 

劉金定の衣装について

紅生といえばこの御方

紅生戯