地主の搾取に耐えかねて
決起した農民たちを導く女性党員
革命現代京劇《杜鵑山》Dujianshan
あらすじ
1928年春。地主の搾取に耐えかねて決起した雷剛を始めとする農民たちは杜鵑山に本拠地を構える。
共産党の革命本拠地・井崗山から雷剛たちのもとに派遣された共産党員・柯湘は杜鵑山の農民たちを指導する。
地主との対立が深まる中、仲間の杜媽媽と雷剛が敵の手に落ちる。柯湘は農民たちに団結を促してふたりの救出して地主の武装団を倒す。
主な登場人物
柯湘 Kexiang
杜鵑山農民自衛軍の党代表。
雷剛 Leigang
農民自衛軍隊長。のちに入党する。
李石堅 Li Shijian
農民自営軍の幹部。入党して支部委員になる。
杜媽媽 Dumama
農民自衛軍に参加していた息子を亡くしており、雷剛に母と慕われている。
田大江 Tian Dajiang
地主の雇われ仕事をしていたが軍に参加して入党する。
温其久 Wen Qijiu
農民自衛軍の副隊長。実は地主に通じているスパイ。
毒蛇胆 Dushedan
地主武装靖衛団の団長。
場面
第一場 長夜待暁
杜鵑山に本拠地を置く農民自衛軍のもとへふたりの共産党員が派遣されたがひとりは亡くなり、もうひとりは地主の武装団に捕らえらたと隊長の雷剛は聞き及ぶ。
第二場 春催杜鵑
雷剛らは敵に捕らえられていた共産党員・柯湘を救い出す。
第三場 情深如海
農民自衛軍の兵士たちは柯湘の歩んできた過酷な境遇を知り、次第に説諭や指導に耳を傾けて受け入れていく。
第四場 青竹吐翠
柯湘と過ごしていく中、雷剛は共産党に入り学びを深めて農民自衛軍の士気は上がっていく。
第五場 砥柱中流
母と慕う杜媽媽が捕らわれたと知った雷剛は、敵の誘いに乗らないよう柯湘が引き止めるのを聞かずに下山する。
密かに敵に通じている温其久は、地元でもない親族もいない柯湘は所詮外から来た人間だと煽って軍の分裂を図る。
第六場 鉄窗訓子
敵に捕まった雷剛は杜媽媽と再会するが、柯湘と共に派遣されて亡くなった共産党員は柯湘の夫だったことを告げらて大局を見るよう諭される。
第七場 飛渡雲塹
少数精鋭で雷剛と杜媽媽を救い出した柯湘は、ふたりに杜鵑山へ戻るよう促す。敵を引き付けるため柯湘らは逃げ続けるが田大江が犠牲になる。
第八場 霧嶺初晴
温其久は周りの意見や党の指示を聞かず、敵へ密かに知らせた通りに軍を移動させようとする。ちょうどその時、無事戻ってきた柯湘に敵と内通していたことを暴かれる。
第九場 漫巻紅旗
農民自衛軍は党の主力部隊と共に地主武装団を一網打尽にする。
データ
王樹元による脚本の話劇を改編。
みどころききどころ
有名なのは第五場「砥柱中流」の場面。
雷剛が実の母のように慕う杜媽媽が捕らえられて、どうするべきか思い悩む柯湘が杜鵑山の景色を見渡して唱うシーン。
ここの唱は出だしが「乱雲飛~」という詞でよく知られています。
ある演唱会では、柯湘を演じてきた中国京劇院の楊春霞が登場したとき、客席のところどころからすかさず「乱雲飛!」とリクエストが飛んでいました。
鑑賞
于蘭が演じる柯湘
youtu.be
1991年資料映像
楊春霞(当時48歳)
youtu.be