2024/11/29更新
清廉潔白 正義を貫く 男装の麗人
《謝瑶環》
竇暁璇が演じる謝瑶環 袁行健は李宏図
杜近芳と葉少蘭による直接指導
あらすじ
武則天の治世。
梁王・武三思が蘇州の農民が反乱を企てていると報告、直ちに派兵して鎮圧すべきとの進言する。
女性官吏・謝瑶環はみだりに民を制圧せず慎重に調べることを勧める。見識高い謝瑶環を見込んで、武則天は謝瑶環を謝仲挙と改名させて江南巡撫に命じる。
蘇州では梁王・武三思の三男の武宏と御史中丞・来俊臣の異父弟の蔡少炳が横行して民を虐げていた。
謝瑶環は蘇鸞仙をお供に男性の装いで蘇州へ赴くと、伍員廟で村娘を無理やり連れ去ろうとしている武松らと、制止しようとする袁行健が争っているところに出くわす。一旦場をおさめ、改めて法廷へ場を移すことになる。
袁行健は武松が農民から土地を奪って虐げていることを訴える。
土地は買ったものだと武松は主張するも、そもそも土地の売買は禁止されている。実際は武松から農具を奪われた農民が耕すことができず捨てざるを得なくなった土地を奪ってきたことが明らかになる。
また、武松は娘が自ら望んで身売りしてきたと主張するが、娘には婚約者がおり、婚約者自らが法廷で証言する。
謝瑶環は圧力に屈せず公正に裁き、蔡少炳は斬首、武宏は死罪を免れるものの杖刑に処される。
この一件を通して謝瑶環と袁行健は惹かれあい結ばれる。
一方、親族を弾劾されて土地を奪う目論見を破られた武三思と来俊臣は結託して謝瑶環に謀反の嫌疑をかけて告発、断罪しようとする。謝瑶環は死をも厭わず拷問に屈せず罪を認めない。
徐有功の報告を受けて駆けつけた武則天により謝瑶環は救われて袁行健と再会。来俊臣は斬首されて武三思は降格される。
謝瑶環 青衣
袁行健 小生
武則天 青衣
来俊臣 浄
武三思 浄
武宏 丑
徐有功 老生
蘇鸞仙 旦
ポイント
女性が統治する時代が舞台で能力の秀でた女性が男性と同じように活躍しており衣装が独特。
男装した謝瑶環が清官として裁きを下す法廷の場面が実に爽快。
後半では謝瑶環が本来の女性の装いで袁行健と想いを交わす場面は華やか。
謝瑶環が謝仲挙として男装の罪人の姿で、ポニーテール状の頭髪を振り回す「甩髪」の技もみどころ。
データ
碗碗腔《女巡按》をもとに田漢(1899-1968)が翻案した歴史劇。
1961年中国京劇院により上演され主演は杜近芳。のちに李維康、陳淑芳、李勝素により演じられている。
青衣と小生がメインの芝居。
武則天は間に合わず謝瑶環が亡くなり手厚く埋葬される当初の結末から、大衆受けする大団円に改編されている。
田漢が携わった作品
杜近芳が演じる謝瑶環
李維康の唱はこちらで 陳淑芳についてもまた改めて