中国京劇雑記帳

京劇 すごく面白い

歴代の主な京劇俳優 刀馬旦・武旦

初出 2003/09/08

 

 

閻嵐秋(1882-1939)

 芸名を「九陣風」。北京人。清末の有名な旦・閻金福の息子。
 幼い頃に小天仙科班に入る。卒業後、福寿班に入り、方二群から指導を受ける。武旦として演じるに当たって「飛来風」という芸名で公演し評判を得る。後に「九陣風」と改める。北京に戻ってからは同慶、双慶、中興、鳴和班で楊小楼、兪振庭、余叔岩、高慶奎、尚小雲、程硯秋らと共演。妻の父である朱文英から指導から影響が強く受けた。中華戯曲専科学校で教鞭をとり、宋徳珠、陳金彪らに指導した。

 

朱桂芳(1891-1944)

 本名を裕康、字を雲培、芸名を「小四十」。武旦を演じていた父の朱文英(1860-1928)の芸名「朱四十」に由来している。原籍は蘇州、北京生まれ。
 幼い頃に家で学び、長春科班に入って武旦を学ぶ。卒業後双慶社に入り、後に梅蘭芳、余叔岩、徐碧雲の劇団でも公演した。最年少で昇平署にも選出され、1919年の梅蘭芳と共に日本に赴いて公演した。

 

宋徳珠(1918-1984

 本名を宝禄、字を穎之。原籍は天津、北京生まれ。
 1930年に中華戯曲専科学校に入学。閻嵐秋、朱桂芳、張善亭らから刀馬旦、武旦の芝居を学び、余玉琴、郭際湘、荀慧生、程硯秋らから指導を受ける。1938年に卒業後、穎光社を組織して各地で公演する。1960年に河北省京劇団に入り、河北省芸術学校で教鞭をとる。芸域が広く、武旦、刀馬旦を主としたが、花旦も演じた。宋派を伝える俳優は数多く、その中でも娘・宋仁菊は父の芸風をよく受け継いでいる。