中国京劇雑記帳

京劇 すごく面白い

歴代の主な京劇俳優 老旦

初出 2003/09/08

 

 

龔雲甫(1862-1932)

 名を瑗、世祥。満族。北京人。
 もともと玉器工芸を学んでいたが、京劇好きで南宮園華蘭習韵票房で老生の唱を学んだ。孫菊仙から招かれて四喜班に入り、熊連喜から老旦を学ぶ。後に楊小楼や梅蘭芳の劇団にも参加した。初期の老生、丑が老旦を兼ねて演じるといった流れを打破し、老旦としての役柄を確立させた確かな芸風を持った。趙静塵(臥雲居士)、文亮臣、李多奎らがその芸風を受け継いでいる。

 

李多奎(1898-1947)

 本名を李万選、字を子清。北京人。
 幼い頃、慶寿合班で梆子の老生を学んだ。後に三楽科班で京劇の老生を学ぶ。声変わりの頃は京胡を学んだ。ノドが回復してからは羅福山に拝師。老旦を演じるようになり、龔雲甫から指導を受ける。龔雲甫が舞台を離れてから、龔雲甫専属の琴師だった張延庭が伴奏するようになって芸に磨きをかける。程硯秋、金少山、高慶奎らと共演した。中華人民共和国成立後、北京京劇院に入り、馬連良、譚富英、張君秋、裘盛戎らと共演する。李盛泉、李金泉、李多芬、李鳴岩、王夢雲らがその流れを汲んでいる。