2002/10/24初出 2023/01/10更新
1997年から2002年にかけて、京劇が上演されていた主な劇場について当時書いたものです。
座席
真中から1番と始まって舞台向って右側が奇数、左側が偶数の番号です。
例えば「一排一号」と書いてあったら一列目のど真ん中。中国の劇場の席順はたいていこうなっています。
中国では一番安いチケットを買ったり、知人などから入手したりして劇場内に入ってから座席に関係なく前方に座るといった人が多いです。自分の席に人が座っていても、チケットを手にしていればアッサリどいてくれます。茶席ではお茶の準備もあって係りの人がチェックしているのでこういうことはありません。茶席で見る場合は係りの人に案内してもいましょう。
上演中の様子
劇場や公演している劇の種類によってさまざまですが、一緒にうたったりおしゃべりしたりしながら見る人が多いです。でも最近は世代と時代が変わってきたためなのか静かに見ていることが多くなった気がします。
また、貧乏ゆすりをするひとが多いです。ものすごく揺れるので「地震?」と本気で思ったことが何度かあります。中国では日本語の「貧乏ゆすり」にぴったり対応するような言葉はないようです。
あるとき、こんなことがありました。芝居に見入っていると後ろから「ギリギリギリギリギリ」と大きい音が聞こえてきて一向に止みません。何度も後ろを振り返ったのですが、その音の正体も誰が出しているのかもサッパリわからないまま終演を迎えました。
あとでわかったのですが、その音の正体はなんと「虫」の鳴き声だったのです。
映画「ラストエンペラー」では最後の皇帝・溥儀が小さい入れ物を開けるとコオロギが入っていて子供にあげるシーンがあります。中国では虫を飼うのはご高齢の方の間ではポピュラー。後ろに座っていたおじいちゃんが虫を連れて観劇に来ていたわけです。観劇を中国語では”芝居を聴く”「聴戯」と言いますが虫の鳴き声まで鑑賞することになるとは。
劇場ひとくち紹介 ※2002年当時のものです
長安大戯院
北京市東城区建国門大街7号
一階前方三分の一が茶席。800元というチケット料金は(党幹部を含めて)VIPが利用する二階席のボックス席のことです。
湖広会館
北京市宣武区虎坊路3号
昔の劇場はこうだったのねと雰囲気が楽しめる劇場。全部茶席。毎日公演あり。
梨園劇場
北京市宣武区永安路175号建国前門飯店内
一階前方から三分の二が茶席。みやげ物が充実。毎日公演あり。
正乙祠戯楼
北京市宣武区前門西河沿大街220号
湖広会館と同じ感じ。全部茶席。
人民劇場
庶民的な中国的劇場で味があります。冬はとても寒いのでコート必須。
北京市工人倶楽部
北京市宣武区虎坊路7号
人民劇場と同じく湖広会館とは違う意味で昔ながらの北京らしい劇場。
上海・逸夫舞台
上海市福州路701号
すり鉢状で遠くからでもものすごくみやすいです。