今回は崑曲について本当に簡単にざっくりと記しております。
崑劇・昆曲とは
京劇に大きな影響を与えている崑劇、崑曲とも呼ばれています。
中国の伝統的な舞台演劇である戯曲のひとつで、元代末期から明代初期にかけて江南地方で発祥し、清代中期まで流行しました。
京劇との主な違いは楽器で笛がメインで曲調はゆったりとして優雅な印象です。
京劇の歴史はこちら
崑曲《牡丹亭》とは
崑劇を代表する作品《牡丹亭》は明代の劇作家・湯顕祖による伝奇の最高傑作と評されています。
深窓の令嬢・杜麗娘と書生の柳夢梅の恋愛譚で、杜麗娘が侍女の春香と共に花園を散策する《遊園驚夢》の場面が特に知られています。
杜麗娘を梅蘭芳、春香を言慧珠、柳夢梅を兪振飛が演じる映像が残っています
こちらの記事で言慧珠について少し言及してます
あらすじ
ときは南宋。
嶺南の書生・柳夢梅は夢の中で少女と出会い忘れられなくなる。
南安太守・杜宝の娘の杜麗娘は花園を散策してうたた寝をするうち、夢の中で青年に出会い恋をする。青年を想うあまり杜麗娘は衰弱して亡くなり花園に埋葬される。
柳夢梅は官吏登用試験に向かう途中に病にかかり療養するため南安に滞在する。花園で見つけた杜麗娘の自画像を飾ると、冥府の判官から青年探しを許されていた杜麗娘と夢の中で再会する。事情を知った柳夢梅は墓を掘り起こす。棺を開けると杜麗娘は息を吹き返す。ふたりは共に都に赴くのであった。
柳夢梅は官吏登用試験を受けるが内乱により結果発表は延期となる。内乱を平定した杜宝は宰相に任じられる。婚姻の許しを得ようと赴いた柳夢梅を墓荒らしと見なして杜宝が責める中、柳夢梅が状元に受かった知らせが届く。皇帝の裁きにより事情が明らかになり、晴れて一家団欒となる。
上海崑劇団
上海崑劇団の前身は1961年成立の上海青年京崑団で1978年に名称を改めました。
初代団長の兪振飛(1902-1993)は梅蘭芳、程硯秋、馬連良、張君秋、言慧珠と長きにわたり共演してきた名優です。
1963年資料映像 崑曲《墻頭馬上》で共演する兪振飛と言慧珠
上海崑劇団 北京公演《牡丹亭》全本
1999年12月3日-8日(3本各2場:6場)
北京・長安大戯院
主なキャスト
上本《驚夢》
杜麗娘…沈昳麗 陳莉
柳夢梅…張軍
司鼓:高均 司笛:銭寅
中本《回生》
杜麗娘…李雪梅 陳莉
柳夢梅…岳美緹 黎安
司鼓:林峰 司笛:梁弘鈞
下本《圓駕》
杜麗娘…張静嫻 余淋
柳夢梅…蔡正仁 張軍
司鼓:李琪 司笛:銭寅
柳夢梅を演じる蔡正仁は兪振飛に師事しており、1999年当時の団長です。
1999年資料映像 崑曲《李白酔写》
蔡正仁(当時58歳)劉異龍(当時59歳)
ちなみにこのエピソードはこちらの新作舞台にリンクしてます
今回は上海市文化部主催で他の劇種も合わせての公演でした。
【上海赴京演出団 五合優秀劇目進京匯演】
公演期間:1999年12月3日-16日
新版越劇《紅楼夢》上海越劇院 保利国際劇院 12月3日-6日(4場)
新版崑劇《牡丹亭》上海崑劇団 長安大戯院 12月3日-8日(3本各2場:6場)
都市新淮劇《西楚覇王》上海淮劇団 長安大戯院 12月12日・13日(2場)
話劇《股票的縁份》上海話劇中心 全国政協礼堂 12月9日-12日(4場)
《中外経典交響作品音楽会》上海交響楽団 北京音楽庁 12月15日・16日