2023/11/10更新
山林を拠点に活躍する英雄豪傑たちの物語は人気があります。
竇爾墩は京劇《連環套》に登場する人物。顔に施された化粧・臉譜、ヒゲ、衣装の色使いが多く、豪華で目を引きます。
劉魁魁による竇爾墩のメイクの過程(0:27〜)がご覧になれます。
臉譜は「藍花三塊瓦」。
「三塊瓦」とは眉、目、鼻の三つの部分をさしています。
「三塊瓦」を基本として眉、目、鼻の各部分に多彩な色が用いられているのを「花三塊瓦」といいます。
そしてメインとなる色は藍色。藍色は剛強勇猛なさまを意味しており、竇爾墩の性格を表しています。
注目したいのは両方の眉の下にあたる部分。
竇爾墩は「虎頭双鈎」という武器の使い手。先端が曲がった長い柄に三日月の形をした刃が握り手の部分に付いている金属製の武器を二本、両手に持って戦います。
その「鈎」の造形が瞼から眉の下にあたる部分に左右対称になって計二本、描かれているのが見えます。
両方それぞれの耳の際に着いているのは「耳毛子」といいます。
毛筆の筆先のような形をしていて、尖っている方が上です。頭髪の左右側面の部分「鬢(びん)」が逆立たせているのを表しています。
竇爾墩は赤色「紅耳毛子」です。
口元の部分が切り取られて、顎下から別の一片が下がっている形のヒゲを「扎髯」、別名「開口髯」といいます。
竇爾墩のヒゲは赤色、「紅扎」です。気性が荒い性格を表しています。
こちらでもメイクの過程がご覧になれます
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