鬼は外、福は内。
節分を前にして、鬼といえば鍾馗さま。鍾馗 Zhong Kui は中国の邪鬼を払う神です。
そして、鍾馗さまといえば裴艶玲 Pei Yanling 。
裴艶玲は梨園育ちで初舞台は五歳。河北梆子、京劇、崑曲を演じ、女性にして老生、武生、武浄をこなす人間国宝です。
ほかにも哪吒に林冲、武松の姿がすぐに浮かびます。
1999年11月19日、北京・人民劇場にて師にあたる李少春(1919-1975)の生誕八十周年を記念した公演では《坐宮》の楊延輝(老生)を演じてノドを披露。
こちら裴艶玲が演じる林冲
あの「男怕夜奔」の《林冲夜奔》です
1999年の年頭に開催された「第二届中国京劇芸術節」では、1997年に設立した自身の名を冠する「河北省京劇院裴艶玲劇団」を率いての公演がありました。
1999年1月6日、7日、8日
北京工人倶楽部
河北省京劇院裴艶玲劇団
新編大型神話京劇《鍾馗》
主なキャスト
鍾馗…裴艶玲
鍾妹…鄭鳳芹
杜平…劉長城
徐伯群…陸愓明
唐代。鍾馗は官吏登用試験を受けるため都へ向かう途中、幽鬼に遭遇して醜い容貌に変えられてしまいます。それがもとで首席だったにもかかわらず最終面接では落第、自ら命を絶ってしまいます。
あの世で厄払いの神となった鍾馗。
この演目は鬼たちを引き連れて気がかりだった妹を親友のもとへ嫁がせる《鍾馗嫁妹》という芝居をベースに、裴艶玲の伝説的というかカリスマな演技がいかんなく発揮されていました。
こちらは半生を振り返る紹介番組
後半に小生の宋小川が出演して歓談しています
鍾馗さまが登場する芝居