シェークスピア「マクベス」京劇《欲望城国》北京公演［2001年9月］呉興国魏海敏

　台湾のすばらしいセンスが光っていた京劇《欲望城国》。イギリスの劇作家・シェークスピア（1564-1616）の芝居「マクべス」を京劇にした舞台です。

　魔女の予言に惑わされたスコットランドの武将マクベスは夫人と共謀して王を殺害、王位を簒奪するも夫人は狂い死にマクベスも討たれてしまう、シェークスピア四大悲劇のひとつです。

　主演と演出を兼ねた「武生」の呉興国は、映画でジョイ・ウォン（王祖賢）やマギー・チャン（張曼玉）とも共演しています。

　梅葆玖（1934-2016）を師と仰ぐ梅派の青衣・魏海敏との共演で日本を始めとした海外のほか、シェークスピアの母国イギリスでも公演を果たしました。

莎士比亞（シェークスピア）四大悲劇《麦克白（マクベス）》中国版

京劇《欲望城国》

制作：当代伝奇劇場（台湾）　中国京劇院　紅劇場（台湾）

北京　保利劇院

2001年9月26日19時30分　呉興国　魏海敏

2001年9月27日19時30分　黄炳強　刁麗

2001年9月28日19時30分　呉興国　刁麗

　京劇の芸術的特徴と京劇ならではの美意識が反映、昇華されていました。

　全体が黒を基調とするシックで洗練された舞台で重厚感があります。

　手についた返り血がどうしても洗い流せないと狂っていく魏海敏の演技と、追い詰められていく末の呉興国の動きが圧巻です。

当代伝奇劇場《欲望城国》

こちらの番組の中でも触れられています。

中国京劇雑記帳