靠 kao
伝統劇で武将が着用する衣装。別名「甲」。
本体は前後でふたつに分かれています。全体に魚の鱗などの模様の刺繍が施されています。
色は黄、赤、緑、白、黒を「上五色」(正五色)、紫、青、ピンク、薄緑、茶を「下五色」(副色)とあり、登場人物の年齢や性格、臉譜などで決められています。
靠領(襟元の部分)
虎頭肩(肩の部分)
靠袖(袖の部分)
燕窩(脇の部分)
胸甲(胸当ての部分)
靠肚(お腹の部分)
吊魚(下腹部)魚の尾ひれのような形ですね
裳甲(下肢)
靠腿(下肢側面)
お腹の部分を覆う「靠肚」の前面には虎の顔の刺繍がされています。
背中の「背虎殻」と呼ばれる部分に小さい三角形の旗を四本挿した状態は兵を率いた臨戦態勢を表して「硬靠」、ない状態は「軟靠」と言って区別があります。
二郎神のみが纏う深黄色の靠で三角形ではなく方形の旗を挿す「二郎靠」、ほかにも女性が纏う「女靠」、「改良靠」など種類があります。